学校における衛生管理者の役割とは? 職務や重要性と共に解説

衛生管理者は、職種に関係なく従業員が50名以上所属している事業所には、選任が義務づけられています。学校も例外ではありません。その一方で、「衛生管理者は学校でどのような職務を行っているのか」と疑問に思う人もいるでしょう。

そこで今回は、学校における衛生管理者の職務や課題を紹介します。

  1. 学校における衛生管理者の職務と役割
  2. 学校で衛生管理者の選任を受ける方法
  3. 衛生管理者の資格取得方法
  4. 学校の衛生管理者に関するよくある質問

この記事を読めば、衛生管理者の資格取得の方法もよく分かるでしょう。衛生管理者の資格取得を目指している人は、ぜひ読んでみてくださいね。

1.学校における衛生管理者の職務と役割

はじめに、学校で衛生管理者が行う職務や課題などについて解説します。

1-1.50名以上教職員が所属している学校は衛生管理者の選任が必要

学校も、ほかの職種と同じように50名以上の教職員が所属している場合は衛生管理者の選任が必要です。49名以下の場合は、安全衛生推進者の選任が必要になります。また、50名以上の教職員が所属している場合は、産業医の選任も必要です。ちなみに、教職員の雇用形態は関係ありません。

1-2.衛生管理者の学校での業務

衛生管理者の学校での業務は、以下のようなものです。

  • 週に1度の職場巡視
  • 年に1度のストレスチェックの実施補助
  • 健康診断の計画と実行補佐、結果の管理
  • 衛生委員会の設置と運営
  • 産業医と教職員の橋渡し

業務内容自体は、ほかの職種で衛生管理者が行う業務と大差はありません。

1-3.学校ならではの課題

衛生管理者の選任率は、平成26年度の調査によると小学校で87%・中学校で88%と完全ではありません。また、衛生委員会の設置率も小学校・中学校ともに80%前後です。つまり、労働安全衛生管理体制自体が整っているとはいいがたい状態であり、早急な対応が必要となります。

2.学校で衛生管理者の選任を受ける方法

この項では、学校で衛生管理者の選任を受ける方法や取り組むべき課題などを紹介します。

2-1.学校の教職員で衛生管理者の選任を受けられる人

保健体育、もしくは養護教諭の免許を持っている人ならば、衛生管理者の選任を受けることが可能です。ただし、この場合は勤務地が学校に限られます。

養護教諭・保健体育の教員免許を持っている人が、学校以外の職場で衛生管理者として働くことはできません。

また、衛生管理者の資格を取得しても選任を受けることができます。衛生管理者は第一種と第二種がありますが、学校は第二種を取得していれば衛生管理者として働くことが可能です。

2-2.教員の長時間勤務の改善が課題

現在、多くの学校で教員の長時間勤務が問題になっています。週40時間を超える労働が月100時間を超え、かつ疲労の蓄積が認められる場合や、ストレスチェックで、高ストレスであり医師による面接指導が必要と判断された場合などは、速やかに産業医との面談が必要です。

しかし、衛生管理者が医師との面談をすすめ、速やかに面談が実施される体制が整っている学校は、まだ少なく、労働安全衛生管理体制の整備が課題となっています。

2-3.衛生管理者と教員の仕事の両立も大切

学校で、労働安全衛生管理体制の整備が進まない理由に、衛生管理者の職務を行うのが難しい現状があります。教職の仕事は多忙なのに、それに加えて衛生管理者の職務に真剣に取り組めば、時間がいくらあっても足りないことでしょう。

しかし、だからといって職場の衛生管理をおろそかにしていると、労働災害がいつ発生してもおかしくない状況になります。ですから、衛生管理者を選任したら、職務をきちんと行えるように教員の仕事を調整できる環境を作ることが大切です。

3.衛生管理者の資格取得方法

前述したように、学校では保健体育の教員免許か養護教諭の免許を取得している人を衛生管理者に選任することができます。しかし、教員としての仕事が忙しく、ほかの教職員に仕事を割り振ることもできない場合は、衛生管理者の有資格者を選任した方がよい、というところもあるでしょう。

衛生管理者の資格は、一定の実務経験を積んだ後で安全衛生技術試験協会が主催する試験に合格すれば取得できます。試験の内容や受験勉強のコツはこちらの記事にも詳しいので、ぜひ併せて読んでみてください。

衛生管理者の試験は、毎月行われているため国家試験の中では比較的挑戦しやすいものです。転職の際の武器にもなるので、職場から取得をすすめられたら、ぜひ挑戦してみましょう。

4.学校の衛生管理者に関するよくある質問

この項では、学校の衛生管理者に関するよくある質問を紹介します。

Q.学校の教職員の中には、教員以外も含まれるのですか?
A.はい。事務員・用務員・司書・給食調理員なども教職員となります。

Q.衛生管理者の職務だけする職員を雇用することはできるでしょうか?
A.私立ならばできるかもしれませんが、公立の場合は難しいのが現状です。

Q.養護教諭や保健体育の教諭が衛生管理者として選任を受ける場合、講習などを受講する必要性はありますか?
A.いいえ。実務経験がなくても選任を受けることができ、講習なども実施されていません。

Q.衛生管理者が職場環境の改善が必要だと判断した場合、誰に報告して改善を実施するのですか?
A.まずは、学校長に報告します。また、学校だけでは解決が難しい場合は教育委員会と共に改善策を考える必要があるでしょう。

Q.学校では、衛生管理者が職務を十分に行っていなくても罰則などは特にないのですか?
A.罰則はありますが、学校は一般的な職場とは異なるので、今まであいまいなまま労働基準監督署の指導がほとんどありませんでした。しかし、現在は文部科学省指導のもと、学校の労働安全衛生管理体制の整備が進められています。

まとめ

いかがでしたか? 今回は学校における衛生管理者の役割や、職務について解説しました。教職員の長時間勤務が問題になっている現在、衛生管理者の役割は以前に比べると格段に重くなっています。まずは、学校の労働安全衛生管理体制の整備を整えるところから始めましょう。そうすれば、労働環境も改善しやすくなります。


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