衛生管理者試験で必要な実務経験は? 内容や期間を詳しく解説

「衛生管理者試験に挑戦したいが、今まで行ってきた業務が実務経験に該当するかよく分からない」と悩んでいる人はいませんか? 衛生管理者の試験を受けるには一定期間の実務経験が必要です。この期間は学歴によって異なるので、初めて試験に挑戦する人の中には申請の際にとまどう人もいるでしょう。

そこで今回は、衛生管理者の資格試験を受けるために必要な実務経験について解説します。

  1. 衛生管理者試験を受けるために必要な実務経験
  2. 事業者証明書の作成方法
  3. 衛生管理者の資格を取得する方法
  4. 衛生管理者試験の実務経験に関するよくある質問

この記事を読めば、実務経験を証明する方法についてもよく分かるでしょう。衛生管理者の試験に挑戦したいと考えている人は、ぜひ読んでみてくださいね。

1.衛生管理者試験を受けるために必要な実務経験

はじめに、衛生管理者試験の受験資格を満たすために必要な実務経験の内容や期間を紹介します。

1-1.実務経験の内容とは?

衛生管理者試験を受けるために必要な実務経験とは、以下のようなものです。

  1. 健康診断実施に必要な事項または結果の処理の業務
  2. 作業環境の測定等作業環境の衛生上の調査の業務
  3. 作業条件、施設等の衛生上の改善の業務
  4. 労働衛生保護具、救急用具等の点検および整備の業務
  5. 衛生教育の企画、実施等に関する業務

つまり、衛生管理者の補佐をしたり従業員が50名以下の職場で、衛生管理の業務を行ったりしていれば、実務経験となります。また、以下のような業務も実務経験となるので覚えておきましょう。

  • 看護師・准看護師の業務
  • 建築物環境衛生管理者の業務
  • 労働衛生管理者の作業主任者の業務(X線作業主任者・高圧作業主任者など)
  • 保険所職員で、試験研究に従事する人の業務

1-2.学歴による期間の違い

衛生管理者の実務経験は、学歴によって以下のように異なります。

  • 大学・短大・高等専門学校を卒業:1年
  • 高校・中高一貫校:3年
  • それ以外:10年

つまり、学歴に関係なく10年以上実務経験があれば、受験資格があるのです。

1-3.雇用形態は関係ない

衛生管理の仕事は、正社員でなくても任せられるケースがあります。ですから、派遣社員やアルバイト・パートでも実務経験を積んでいれば問題ありません。また、複数の職場で実務経験を積んでいる場合、その期間の合計が条件を満たす年数であれば受験できます。ただし、すべての職場で「この人は確かに労働衛生に関する仕事をしていました」という証明をしてもらうことが必要です。

2.事業者証明書の作成方法

衛生管理者試験の願書を提出する際、実務経験を証明するのが事業証明書です。この項では、その作成方法を紹介します。

2-1.事業者証明書とは何か?

事業者証明書とは、受験者が「確かに労働衛生の実務に従事した」ことを事業者(事業所の責任者など)が証明する書類のことです。安全衛生技術試験協会のサイトからダウンロードでき、以下のような内容を記入するようになっています。

  • 従事経験の内容(13種類に分類されており、丸をつける)
  • 衛生管理の仕事に従事した期間
  • 衛生管理の仕事を行った事業所の責任者の署名・捺印(なついん)

証明書が作成できない場合は、試験を受けることができないので必ず作成しましょう。

2-2.事業者証明書の作成する手順

事業者証明書は、事業所の責任者が作成します。営業所長・工場長などが該当するほか、社長でもいいでしょう。試験を受ける場合は余裕をもって作成を依頼してください。なお、証明者の欄に、事業所名・事業所の所在地(住所)・事業者や役職名を記する必要があります。さらに、印には職印・会社印・個人印などが使用可能です。ただし、職印の場合は単体で使用可能ですが、会社印を使用する場合は、証明を作成した人の個人印が必要なので注意してください。ちなみに社長・事業所長による自筆の署名でも印鑑の代わりになります。
すでに退職した職場の職務経歴も含めたい場合は、退職した職場に依頼して作成してもらってください。会社がなくなった場合は証明が難しくなるので気をつけましょう。

2-3.事業者証明書の提出方法

事業者証明書は、願書と共に試験を受けたい安全衛生技術センターに送付します。

  • 学歴を証明する書類(卒業証書など)
  • 受験申請書
  • 顔写真

なお、事学歴を証明する書類は原本が原則です。やむを得ずコピーを使用する場合は、事業所の原本証明が必要になります。作製方法は安全衛生技術試験協会のサイトに記載されているので、参考にしてください。

3.衛生管理者の資格を取得する方法

衛生管理者は、従業員が50名以上所属している事業所には必ず選任が必要です。そのため、取得すれば転職に大いに役立ちます。また、昇給や昇進も期待できるでしょう。この項では、試験内容や勉強のコツを紹介します。

3-1.衛生管理者の試験科目

衛生管理者の試験は、以下の3科目の学科試験です。

  • 労働衛生
  • 関係法令
  • 労働生理

試験は各科目6割以上の点数で合格となります。ただし、1科目でも得点数が4割未満ならば、ほかの2教科が満点でも不合格になるので注意しましょう。ちなみに、一種も二種も試験科目に違いはありません。
また、第二種衛生管理者を取得した後に第一種の試験を受ける場合は、労働生理の科目が免除になるほか、後の2教科も問題の一部が免除されます。(特例第一種衛生管理者免許試験)ですから、第二種を受けて試験に慣れておいてから第一種を受験してもいいでしょう。

3-2.試験日程

衛生管理者の試験は、全国各地の安全衛生技術センターでほぼ毎月行われます。国家試験の中では群を抜いて多い試験回数です。詳しい日程はセンターごとに異なるので、安全衛生技術試験協会のサイトを確認してください。毎月の試験はセンターでしか行われないので、遠方の人は宿泊準備も必要です。なお、試験の回数が多い分、会場の定員に達すると申込期間中でも募集を締め切られてしまうので気をつけましょう。土日の試験日は人気があります。その日に試験を受けたい人は、早めに申し込んでください。また、年に1度、センターから遠いところに住んでいる人向けに地方試験も実施されます。

3-3.申し込み方法

試験を申し込むには、まず願書を各地のセンターや安全衛生技術試験協会サイトから入手してください。それから、必要事項を記入後、前述した書類を添付して受験希望地の安全衛生技術センターへ送付するか、窓口に持参しましょう。受験料は6,800円です。添付書類が必要なので電子申請は受けつけていません。注意しましょう。

3-4.勉強方法のコツ

衛生管理者の試験の合格率は高いのですが、それは1年の間に何度も挑戦することができるからです。「合格率が高いから優しい試験だろう」と思ってはいけません。仕事と受験勉強を両立させるには、SATの教材を利用してみるのもおすすめです。SATの教材はテキストだけでなく、専門の講師による講義を収録したDVDやeラーニングがついてきます。まるで予備校に通っているような気持ちで勉強できるでしょう。特に、eラーニングはスマートフォンやタブレットでも視聴可能なので、通勤時間や休み時間にも勉強するのに便利です。

4.衛生管理者試験の実務経験に関するよくある質問

この項では、衛生管理者試験の実務経験に関するよくある質問を紹介します。

Q.看護師としての仕事をしていれば、企業や学校に務めていても受験資格を得られるのでしょうか?
A.はい。看護師としての業務をしていれば勤務地は問われません。

Q.たとえば、週に1度しか労働衛生に関する業務をしていなくても大丈夫ですか?
A.はい。毎日業務をしなければならないという規定はありません。

Q.労働衛生に関わる仕事を数人で分担してやっていましたが、実務経験にカウントして大丈夫ですか?
A.はい。大丈夫です。

Q.学歴を証明できなければ、労働衛生に関わる時間はどのくらい必要でしょうか?
A.学歴を証明できない場合、10年の実務経歴が必要になります。

Q.大学の学部は関係ありませんか?
A.はい。どのような学部でも関係ありません。1年の実務経歴があれば受験資格を得ることができます。

まとめ

いかがでしたか? 今回は衛生管理者の実務経験を中心に解説しました。実務経験について分からないことがあれば、安全衛生技術試験協会に問い合わせてみましょう。なお、転職の予定があってなおかつ衛生管理者の資格取得を考えている場合、退職する際に事業者証明書をもらっておくのがおすすめです。


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