有害業務の定義や規則について解説。就業が禁止される条件とは?

有害業務とは、文字どおり体に害のある業務の総称です。安全上の理由から業務に就ける年齢や性別が限られており、健康を損なわないための対策や教育も必要となります。そのため、安全管理や衛生管理も一般的な業務よりも厳重に行うことが大切です。
今回は有害業務の定義や決まりごと、教育などについて解説します。

  1. 有害業務とは何か
  2. 有害業務従事者に関する規定
  3. 有害業務に関するよくある質問

この記事を読めば、有害業務に就くための条件や会社が行う対策などもよく分かるでしょう。安全管理者や衛生管理者はぜひ読んでみてください。

1.有害業務とは何か

前述したように、有害業務とは適切な対策をせずに仕事をすれば、健康に悪影響が出る業務の総称です。現在は、労働安全衛生法によって以下のような業務が有害業務に指定されています。

  • 鉛を取り扱う業務
  • 粉じん作業
  • 有機溶剤業務
  • 強烈な騒音を発する場所における業務
  • 特定化学物質を製造又は取り扱う業務
  • 振動工具による身体に著しい振動を与える業務
  • 放射線業務
  • 紫外線、赤外線にさらされる業務
  • 重量物を取り扱う業務

有害業務は、労働基準法により就労できる人が限られているほか、就労する人には安全教育や特別な健康診断が義務づけられているのです。次の項では、有害業務に関するさまざまな決まりごとを解説します。

2.有害業務従事者に関する規定

この項では、有害業務の業務制限や事業者が有害業務従事者に関して事業者に義務づけられている対策等を解説します。

2-1.有害業務の就業制限

1でご説明したように、有害業務は適切な対策をしなければ健康に悪影響が出ます。また、対策をしていても健康に悪影響を与える可能性があるでしょう。そのため、労働基準法により18歳未満の年少者と妊婦は有害業務に就くことは禁止されています。また、産後1年未満の産婦や女性も、一部の有害業務には就くことができません。本人が希望してもダメです。

2-2.有害業務従事者に義務づけられていること

有害業務従事者には、安全教育と特殊健康診断を受けることが義務づけられています。会社は従業員に対して1年に1度健康診断を実施することが義務づけられていますが、特殊健康診断は3~6か月ごとに行うものです。健康診断で従業員に異常が発見された場合は、すぐに従業員を有害業務から外し、安全管理や衛生管理の対策を行わなければなりません。
また、安全教育とは有害業務が健康に与える影響や、安全対策などを従業員に教育するものです。講師は安全管理者が努めることもあれば、外部から専門の講師を招くこともあります。産業医が講師を務めることもあるでしょう。教育は1日程度で行いますが、必要ならば定期的に行わなければなりません。

2-3.注意点

2-1でご紹介したように、有害業務は就業制限があります。これに違反した場合や安全教育・特殊健康診断を怠った場合は、事業者に6か月以下の懲役や30万円以下の罰金が課せられるので、注意しましょう。労働者が就業を希望しても、事業者が断らなければなりません。また、特殊健康診断や安全教育は就労時間内に行います。やむをえない理由で法定労働時間外に行った場合は、残業代や休日手当を支払わなくてはなりません。

3.有害業務に関するよくある質問

Q.有害業務は女性の就労制限があるそうですが、どのような人でも業務を行うことができないのでしょうか?
A.はい。有害業務に関する資格等を取得していても、年齢や妊娠の有無にかかわらず女性は就労できない業務があります。

Q.女性が就業できない業務とは、具体的に何でしょうか?
A.一定の重さを超える重量物を扱う業務、鉛・水銀・クロム・砒素、などやこれらに準ずる有害物のガス、蒸気または粉じんを発散する場所における業務です。

Q.男性であれば、どのような有害業務でも就業できますか?
A.はい。18歳以上で健康であれば基本的には大丈夫です。ただし、仕事によっては資格が必要なこともあります。

Q.安全教育は何かマニュアルのようなものはあるでしょうか?
A.はい。最寄りの労働局に問い合わせれば基本的なマニュアルを教えてくれます。必要ならば、これに会社独自の教育をつけたしてください。

Q.特殊健康診断は、一般的な健康診断と同じことを行うのでしょうか?
A.いいえ。有害業務によって影響を受けやすい器官の検査を行います。

まとめ

いかがでしたか? 今回は有害業務についていろいろと解説しました。現在は、女性は男性と等しく仕事ができるようになっていますが、有害業務だけは一定の制限があります。また、有害業務を労働者に「これは有害業務である」と知らせずに行わせることもできません。労働災害を防ぐためにも、安全管理者・衛生管理者だけでなく事業者も労働安全衛生法や労働基準法に目を通しておきましょう。労働者も、自分の健康を守るために安全教育等はしっかりと受けておくことが大切です。


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