安全衛生委員会の役割や設置基準を解説。設置する意義やメリットは?

安全衛生委員会とは、労働者の健康や安全を守るための措置に対して、労働者の意見を反映させるための組織です。そのため、衛生管理者や安全管理者だけでなく、労働者の中から委員を選出する必要があります。また、「委員会の議題がなかなか決まらず、悩んでいる」ということもあるでしょう。
今回は、安全衛生委員会の仕組みや議題、選任義務などについて解説します。

  1. 安全衛生委員会の基礎知識
  2. 安全衛生委員会の運営について
  3. 安全衛生委員会に関するよくある質問

この記事を読めば、安全衛生委員会の役割についてもよく分かることでしょう。衛生管理者や安全管理者に選任された人は、ぜひ読んでみてくださいね。

1.安全衛生委員会の基礎知識

はじめに、安全衛生委員会の設置義務がある業種や構成委員、設置の目的などについて解説します。

1-1.安全衛生委員会の役割とは?

前述したように、安全衛生委員会は会社が行う労働者の安全・衛生対策に関する措置に対し、労働者の意見を反映させるための組織です。職場の衛生管理や安全管理は衛生管理者や安全管理者・産業医が中心になって行い、改善点があれば事業者に意見します。しかし、実際に仕事をしている人でないと気がつかない安全対策・衛生対策もあるでしょう。そのため、安全対策・衛生対策は会社が選任した衛生管理者や安全管理者・産業医だけでなく、労働者の意見を取り入れることも大切です。安全衛生委員会は、労働者と衛生管理者・安全管理者が意見を交わし合い、共に安全かつ衛生的に仕事を行える職場を作っていくための組織になります。

1-2.安全衛生委員会の設置が義務づけられている職場とは?

従業員が50名以上所属しているすべての事業所には、衛生委員会の選任と衛生委員会の設置が義務づけられています。
安全管理者と安全委員会の設置が義務づけられているのは、従業員が50名以上所属している林業・鉱業・建設業・一部の製造業などです。安全衛生委員会は、このどちらの条件も満たす事業所に設置されます。
なお、従業員が100名以上所属している場合は、電気・ガス・水道業・通信業なども安全管理者や安全管理委員会の設置が義務づけられているので、安全衛生委員会を設置する必要があると覚えておきましょう。事業所が順調に拡大して従業員が増え続けている場合は、衛生管理者や安全管理者の選任が義務づけられている人数を満たした時点で、安全衛生委員会の設置が必要です。なお、各都道府県の労働局のホームページには、安全衛生委員会の設置基準が記載されています。必要ならば確認しましょう。

1-3.安全衛生委員会の構成員とは?

安全衛生委員会の構成員は、事業者側と労働者側の2種類で構成されます。事業者側には安全管理者・衛生管理者・産業医・事業所側の委員(役員等)で構成され、労働者側を構成するのは従業員から選出された委員です。会社に労働組合がある場合は、労働組合に所属している人が委員になることが一般的でしょう。労働委員会がない場合は、従業員の半数以上から選ばれた人が選任されます。最高責任者である議長には統括安全衛生管理者などが選任されるのが、一般的です。

2.安全衛生委員会の運営について

この項では、安全衛生委員会で話し合う内容や開催する頻度などについて解説します。

2-1.安全衛生委員会の規定について

安全衛生委員会が組織されたら、まず、規定を定めましょう。委員の構成や運営の仕方、調査・審議の方法などを決めて下さい。各都道府県の労働局には、規定の事例が掲載されていますので、参考にしましょう。規定が作成できたら、最寄りの労働基準監督署に提出する義務があります。

2-2.安全衛生委員会の開催頻度について

安全衛生委員会は、毎月1回以上開催することが労働安全衛生法で定められています。産業医が会社を訪問する日に合わせ、開催してもいいでしょう。なお、安全衛生委員会は業務として行います。ですから、やむをえない理由があって休日や夜間など法定労働時間外に行う場合は、休日手当や残業手当をつけなければなりません。会議は1時間前後が平均ですが、必要とあれば時間を延長して行いましょう。

2-3.議題の選び方

安全衛生委員会は、会社全体の安全・衛生対策を話し合う場です。ですから、年間活動計画の審議や健康診断・ストレスチェックの結果報告等を行いましょう。このほか、職場で起きた「ヒヤリハット事例」の報告や、休職者・ケガ人・復職者の報告なども行ってもいいですね。安全衛生委員会全体で共有しておく必要がある情報を取捨選択し、話し合いをスムーズに行いましょう。

2-4.注意点

安全衛生委員会の会議は議事録を取り、3年間保管しておきましょう。また、安全衛生委員会の議題に、個人の話題はふさわしくありません。たとえば、自分の所属している事業所に産業医との面談が必要だと思われる人がいたとしても、それはまた別の機会に衛生管理者や産業医に相談すればいいことです。また、ときには産業医にアドバイスや労働安全・労働衛生に関する意見をしてもらってもかまいませんが、それに会議の時間をすべて費やすのはやめましょう。

3.安全衛生委員会に関するよくある質問

Q.安全衛生委員会の人数に決まりはありますか?
A.決まりは特にありません。必要だと思う人数で構成しましょう。

Q.産業医や衛生管理者・安全管理者は必ず委員会に出席しなければなりませんか?
A.はい。やむをえない理由がない限り出席することが前提です。

Q.安全衛生委員会は、労働災害が起きた際何らかの責任を問われますか?
A.いいえ。責任を問われることはありませんが、再発防止等の対策を決めたりする必要はあります。

Q.安全衛生委員会の委員に、パートやアルバイトを選任することはできるでしょうか?
A.可能ですが、正社員が多数従業員にいる場合は基本的に正社員を任命します。

Q.安全衛生委員会の事業者側と労働者側での構成員の比率は、どうしたらいいですか?
A.基本的には半々ですが、多少どちらかが多くなってもかまいません。

まとめ

いかがでしたか? 今回は安全衛生委員会の定義や構成員、議題の選び方などを解説しました。安全衛生委員会は、単に衛生管理や安全管理のスケジュールを確認・承認する会ではありません。安全かつ衛生的に仕事ができるよう、構成員全員で意見を出し合う会です。職場巡視や健康診断、ストレスチェックなどの結果も参考に議題を選びましょう。


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