衛生管理者が職場巡視を行う理由は? 効果やメリットと共に解説

職場巡視は、衛⽣管理者の重要な仕事の1つです。週に1回職場巡視を行うことにより、事故防止や職場の問題を見つけ、改善するきっかけをつかむことができるでしょう。その一方で、「職場巡視がおざなりになってしまいがち」「職場巡視の際、気をつけるポイントがよく分からない」などの悩みを抱えている人もいると思います。

そこで今回は、職場巡視を行う理由や、実施する際に注目すべきポイントを解説しましょう。

  1. 職場巡視とは何か?
  2. 職場巡視を行うメリットや目的
  3. 職場巡視を効果的に行う方法
  4. 衛生管理者の職場巡視に関するよくある質問
  5. おわりに

この記事を読めば、職場巡視の際に気をつけることなどもよく分かります。衛生管理者を目指している方は、ぜひ読んでみてくださいね。

1.職場巡視とは何か?

職場巡視とは作業環境を実際に見て、安全衛生上の問題がないかをチェックする仕事です。労働安全衛生規則の第11条により、衛生管理者は週に1回程度、職場巡視を行うことが義務づけられています。また、単に職場を巡視するだけでなく、安全衛生上に問題があった場合、直ちに改善策を講じなければなりません。事業者は、衛生管理者がスムーズに職場巡視を行えるようにするだけでなく、衛生管理者から提言があったら即対応する義務があります。

2.職場巡視を行うメリットや目的

この項では、職場巡視を行うメリットや目的、意義を解説します。

2-1.職場巡視を行う必要がある職場

衛生管理者は、職種に関わらず50名以上の従業員が所属している事業所に選任が義務づけられています。つまり、従業員が50名以上所属している職場は、週に1回程度は衛生管理者が職場巡視を行わなければなりません。ちなみに、従業員の勤務形態は関係ないので注意しましょう。正社員1名にパートやアルバイトが49名でも、衛生管理者の選任や職場巡視は必要です。
また、衛生管理者の選任義務がない職場では職場巡視が必要ない、というわけではありません。従業員が50名以下の職場では安全衛生推進者・衛生推進者を選任し、定期的に職場巡視を行います。労働安全衛生規則の第12条に詳しく記載されているので確認してみましょう。

2-2.職場巡視を行うメリット

職場巡視を定期的に行えば、従業員が働いている環境がよく分かります。また、労働災害を未然に防ぐこともできるでしょう。すべての労働者は、安全かつ衛生的に仕事を行う権利があります。しかし、仕事を最優先にすると衛生管理や安全管理がおろそかになり、労働災害が発生する危険が高まるでしょう。また、労働災害が発生してから対処を考えても遅く、労働災害が発生する危険に従業員が気づいても、衛生管理者に報告しづらいということもあります。職場巡視を行えば、衛生管理者と従業員のコミュニケーションにも役立つでしょう。

2-3.職場巡視は衛生管理者だけの仕事?

職場巡視は衛生管理者のほか、産業医も行います。労働安全衛生規則第15条が2017年に改正となり、条件付で巡回の頻度が1か月に1回から2か月に1回以上に変更されました。そのため、衛生管理者の職場巡視の重要性がより高まっています。

3.職場巡視を効果的に行う方法

この項では、労働災害防止や職場環境の改善に職場巡視を効果的に利用する方法を解説します。

3-1.職場巡視を効果的に行うためには?

職場巡視は、ただ職場を見て回ることではありません。大切なのはのPDCAです。PDCAとは、PLAN(計画)・DO(実施)・CHCEK(評価)ACTION(改善)の頭文字を組み合わせたもので、これに沿って職場巡回を行っていきましょう。職場巡視を行う前、計画を立てます。何を重点的にチェックするか、従業員からの相談はあるかなど、事前情報を集めることも大切です。実施をする際は、必要ならば騒音計や照度計・温度計などを持参します。現在は技術の進歩により、直接命の危険が高い仕事は少なくなりました。その代わり、部屋の温度や湿度・照度・作業環境などが少しずつ健康に影響を及ぼす例が増えています。そのため、目視だけでなく、機器を使用して職場環境をチェックしましょう。また、重点的にチェックすることのリストを作り、見逃しを防止します。必要ならば従業員から話をする時間も取りましょう。巡視が終わったら、結果をまとめて安全衛生委員会などに報告し、必要ならば改善点を提案します。そうすれば、職場巡視が環境改善に役立つでしょう。

3-2.必要ならば産業医らと協力する

職場環境で改善する点がある場合、ケースによっては衛生管理者だけでは対応しきれないこともあります。この場合、産業医や安全管理者と共に職場巡視を行い、対応策を話し合いましょう。大切なのは、ひとりで問題を抱えこみ、悩まないことです。

3-3.改善案は具体的に出す

職場環境で改善する点が出てきた場合、改善案を具体的に出すことも大切です。たとえば、改善案の中にはコスト的にできないこともあるでしょう。改善案が1つしかないというものは、ほとんどありません。職場にあった改善案を提案すれば、事業者も受け入れやすいはずです。

4.衛生管理者の職場巡視に関するよくある質問

Q.職場巡視のチェックリストは自作しなければなりませんか?
A.自作してもいいですが、労働安全衛生に関する団体がチェックリストを作成し、無料ダウンロードをできるようにしています。それらを利用し、使いやすいように自分で改変してもいいでしょう。

Q.衛生管理者が職場巡視を怠った場合、罰則はありますか?
A.抜き打ちチェック等はありませんが、労働災害が発生し、その調査過程で職場巡視を怠っていたことが分かれば罰則を受けることもあるでしょう。

Q.事業所に複数の建物がある場合、すべてを衛生管理者が巡回しなけれななりませんか?
A.職場が広い場合は、主な従業員が働いている場所をチェックする方法もあるでしょう。また、複数で手分けしてチェックする方法もあります。この場合、必ず巡視後に報告会を行いましょう。

Q.職場巡視にはどのくらいの時間をかければいいですか?
A.特に決まりはありませんが、必要ならば時間をかけましょう。

Q.職場巡視がどうしてもできない場合、2週に1回でもかまいませんか?
A.基本的には週に1回程度です。どうしてもできない場合は、事業者に改善を要求しましょう。

5.おわりに

いかがでしたか? 今回は、衛生管理者が行う職場巡視について解説しました。職場巡視は頻度が多い分、ルーチンワークになりがちです。従業員の意見を積極的に聞く、安全衛生会議で問題提起をするなど労働災害防止のため、よりよい方法を考えましょう。


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