作業主任者に関する資格の種類が知りたい! 取得のメリットや勉強法など

作業主任者は、労働安全衛生法と関連法令によって定められた、労働災害防止のための資格です。事業場や工事現場で起こり得る労働災害を予測し、防止するために必要な管理を行います。作業者が安心して仕事を行うためには、必要不可欠な存在です。作業主任者にはさまざまな資格種類があり、それぞれ特徴や仕事内容が異なるので把握しておかなければなりません。そこで、本記事では、作業主任者の基礎知識や選任・メリット・種類について説明します。

  1. 作業主任者の基礎知識
  2. 作業主任者の選任について
  3. 作業主任者のメリット
  4. 作業主任者の種類
  5. 作業主任者に関してよくある質

この記事を読むことで、作業主任者の種類について分かり、資格試験に向けて準備を整えることができます。受験を考えている方は、ぜひ参考にしてください。

1.作業主任者の基礎知識

作業主任者の種類や資格試験について知る前に、まずは、基礎知識を身につけていきましょう。ここでは、定義や準拠する法律・主な職務・必要性について説明します。

1-1.定義

作業主任者は、労働安全衛生法第14条により、労働災害を防止するための管理を必要とする一定の作業について、その作業の区分に応じて選任が義務づけられているものです。私たちが行う仕事の中には、危険を伴う作業があります。危険がひそんでいる場所では、労働災害が発生する可能性が高いため、専門知識を持つ人=作業主任者の存在が必要です。労働災害防止のための仕事を担当する、大切な役割といえるでしょう。

1-2.準拠する法律

作業主任者の選任義務など定められているのは、労働安全衛生法です。労働安全衛生法は、労働者の安全と衛生についての基準を定めた法律で、労働基準法と互いに作用し合っています。労働災害の防止のための危害防止基準の確立や統合的計画的な対策の推進、職場における労働者の安全と健康の確保、快適な職場環境の形成と促進が目的です。

1-3.主な職務

作業主任者の主な職務は、作業の指揮や仕事に使う道具・機械の点検、安全装置の点検、異常が起きた際の処置などです。安全・安心な職場環境をつくるための仕事を全般的に担当し、安全管理者と協力しながら、作業員に対して安全教育を行うこともあります。厚生労働省のホームページでは、職務に関して以下の項目が記載されているのです。

  • 作業の直接指揮
  • 使用する機械などの点検
  • 機械などに異常を認めたときの必要な措置
  • 安全装置などの使用状況の監視など

労働者が危険な行動をしている場合は、注意をして、正しい行動をするための指導を行うこともあります。それだけの権限を、作業主任者は持つことになるのです。

1-4.必要性

職場の安全・安心が確保できているのは、作業主任者のおかげともいえるでしょう。快適かつ安全な職場を維持し続けるためには、作業主任者が必要不可欠です。特に、高圧室内作業やボイラー取り扱いの作業・危険物などにかかわる施設など、特定の施設には、必ず作業主任者を選任し設置しなければなりません。選任しなければ、法律違反とみなされます。

2.作業主任者の選任について

作業主任者を選任する場合に必要な作業や職務、届出、違反などについて説明します。

2-1.選任の必要な作業・職場は?

作業主任者と同じように選任される「安全管理者」や「衛生管理者」は、労働基準監督署などに選任の届出が必要です。しかし、作業主任者は届出の必要がありません。ただ、選任された場合は、従業員へ告知する必要があります。
また、作業主任者と周囲に分かりやすくするように、専用の帽子をかぶったり、仕事中は腕章をつけたりすることもあるでしょう。
そして、作業主任者の仕事場は、危険を伴う事業場となります。選任が義務づけられている職場は、現在で31箇所存在しており、これらの場所には必ず作業主任者が必要です。たとえば、放射線業務にかかわる作業やコンクリート破粉器を用いて行う作業・石綿などを取り扱う作業などがあります。詳細は、こちら(厚生労働省の職場のあんぜんサイト)に記載されているので、ぜひチェックしてみてください。

2-2.届出について

先ほども申しましたとおり、作業主任者を選任する場合は、所轄労働基準監督署長への報告書提出義務はありません。しかし、作業主任者の氏名や業務内容を、作業員の見やすい場所に提示することが、事業者に義務づけられています。

2-3.違反について

作業主任者を選任していない事業者は、法律違反により、6か月以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられます。労働安全衛生法で規定されているさまざまな事項に反する行為には、罰則が設けられているので注意しなければなりません。規定されている事項については、遵守する必要があります。

2-4.そのほか

同一の場所で、複数の作業主任者を選任する場合は、それぞれの作業主任者の職務の分担を定める必要があります。どちらがどのような仕事を行うのか、役割分担が大切です。きちんと役割分担をすることで、より安心・安全な職場環境をつくることができます。起こり得る事故も未然に防ぐことができるでしょう。

3.作業主任者のメリット

作業主任者の資格を取得すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。求人・職場や給与・手当て・キャリアアップについて説明します。

3-1.求人について

作業主任者の求人は安定しています。選任しなければならない職場があるため、「仕事がない」という状態にはなりません。多くの企業や会社・事業場が、作業主任者を求めています。転職・就職にも有利な条件になるでしょう。実績や経験を積めば、大手企業・会社に就職することも夢ではありません。資格を取得したほうが、就職・転職先の選択が幅広くなりますよ。

3-2.給与・手当て・キャリアアップについて

気になる作業主任者の平均年収は、約400~600万円です。実績や経験を積んでいる作業主任者ほど、高収入が期待できます。資格を取得すれば、基本給に加えて手当てもあるでしょう。大企業などでは、資格取得者に対して手当てをつけています。手当ての金額は企業によって異なりますが、数千円ほどアップする可能性があるでしょう。
また、キャリアアップも十分に期待できる資格です。さまざまな現場で実績や経験を積むことで、より大規模な作業場で仕事ができます。

4.作業主任者の種類

作業主任者の種類や勉強方法について説明します。資格取得を考えている方は、ぜひチェックしてくださいね。

4-1.種類について

作業主任者は、仕事内容によって複数の種類があります。大まかに分けて、免許取得が必要なもの・免許取得または技能講習が必要なもの・技能講習が必要なものです。それでは、早速チェックしていきましょう。

4-1-1.免許取得が必要なもの

免許取得が必要なものは、全部で5種類あります。資格試験を受けて合格しなければ、免許を取得することができません。中には、作業主任者の資格試験を受ける前に、受験資格をクリアしなければならないものもあるので注意してくださいね。

  • 高圧室内作業主任者:労働安全衛生法に定める高圧室内において、送気や排気を行う
  • ガス溶接作業主任者:ガスを用いる金属溶接、溶断など作業の直接管理者
  • 林業架線作業主任者:森林で栽培した原木を、木材加工場まで運び出す際に使用する機械収材装置や運材用空中ケーブルなどの組み立て・解体・変更・修理・運転などにたずさわる
  • エックス線作業主任者:エックス線を用いる事業場の作業主任者
  • ガンマ線透過写真撮影作業主任者:品質検査においてガンマ線を用いて写真撮影を行う作業場の作業主任者

4-1-2.免許取得または技能講習が必要なもの

免許を取得した後、技能講習が必要なものもあります。それらは以下のとおりです。

  • ボイラー取扱作業主任者:一定規模以上のボイラーを設置し取り扱う事業場の作業主任者
  • 第一種圧力容器取扱作業主任者:第一種圧力容器の取り扱いを行う事業場の作業主任者

以上の作業主任者は、ボイラー技士などの特定の免許を取得した上で、技能講習会を受講しなければなりません。技能講習会を修了して、資格取得ができるようになります。

4-1-3.技能講習が必要なもの

資格試験を受ける必要はなくても、定められた技能講習を修了すれば資格取得ができる種類があります。多数の種類があるため、代表的な資格を以下にピックアップしてみました。

  • 木材加工用機械作業主任者
  • プレス機械作業主任者
  • 乾燥設備作業主任者
  • コンクリート破粉器作業主任者
  • 石綿作業主任者
  • 有機溶剤作業主任者
  • 地山の掘削作業主任者

ほかの資格種類については、こちらをご覧ください。

4-2.勉強方法

独学・スクール・通信講座など、勉強法はさまざまです。時間に余裕があるなら独学でも構いませんが、スケジュール調整が大切なポイントとなります。分からないところも自分で解決しなければなりません。スクールは時間が定められており、仕事で忙しい方は通えない場合もあるでしょう。仕事と家事・育児などで忙しい方は、通信講座がおすすめです。
SATの通信講座は、試験のポイントを押さえたテキストとDVD映像がセットになっています。DVD映像はお手持ちのスマートフォンでも再生可能なので、移動時間や休憩時間などのすき間時間でも勉強可能です。分からないところがあれば、担当の先生へメールで尋ねることもできます。ぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。

5.作業主任者に関してよくある質問

作業主任者に関してよくある質問を5つピックアップしました。

5-1.まったくの初心者でも作業主任者の資格は取得できるのか?

作業主任者の資格試験は、一定の実務経験が受験資格になっているケースがほとんどです。そのため、実務経験のない初心者が受験することはできません。作業主任者は、仕事に対する専門的な知識と経験が必要なため、まずは実務経験を積んでください。取得したい作業主任者の資格を明確にして、受験資格や選任条件を確認しておきましょう。

5-2.作業主任者の勤務形態が知りたい

事業場や企業・会社によって異なりますが、選任が必要な職場では3交代制を取っているところがあります。勤務形態や資格種類によっては、複数の作業主任者を選任しなければならないのです。たとえば、ボイラー取扱作業主任者や乾燥設備作業主任者・第一種圧力容器取扱作業主任者は、すべての時間帯に選任する必要がありません。しかし、これ以外の職場では、各勤務時間帯に選任が必要とされています。

5-3.労働災害が発生した場合、作業主任者が責任を取らなければならないのか?

必ず、作業主任者が責任を取らなければならないわけではありません。選任されている安全管理者と一緒に労働災害の原因を調査し、再発防止に努めることが大切です。

5-4.女性でも活躍できるのか?

作業主任者として、各事業場で働いている女性はたくさんいます。「女性だからなれない」ということにはなりませんので安心してください。資格試験は、年齢・性別の制限がないので、誰でも資格を取得することができますよ。

5-5.作業主任者として選任されるためには?

1つの事業場に、作業主任者の資格を取得している人が複数いる場合は、実績・実務経験・年齢・スキル・勤務態度などによって判断することとなります。作業主任者として選任されるためには、きちんと仕事をこなしていかなければならないでしょう。実績・経験を積んでいる人ほど知識が豊富とみなされるため、選任されやすくなります。

まとめ

いかがでしたか? 作業主任者は、労働安全衛生法にて定められている事業場で、必ず選任しなければならない役職です。快適な労働環境をつくり、労働者が安全・安心に作業ができるための、大切な仕事を行います。作業主任者がいるからこそ、職場の安全が確保できるのです。作業主任者として働くためには、資格試験の合格や講習を修了することが必要となります。資格種類によって、取得までの方法やルートが異なるため、事前に確認しておかなければなりません。取得したい資格の取得要件をきちんと把握した上で、勉強を始めてください。中には、実務経験がなければ取得できない資格もあるので要注意です。事前に、作業主任者の基礎知識を身につけておけば、スムーズに資格が取得ができるでしょう。


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