職場で行われる特別教育って何? 安全衛生教育との違いは?

特別教育とは、厚生労働省令で定める危険な業務、もしくは有害な業務に労働者を就かせる場合、経営者が労働者に受けさせなければならない教育のことを指します。特別教育は、労働安全衛生法や労働安全衛生規則で教育科目や実施時間が定められており、原則として勤務時間内に行わなければなりません。

今回は、安全衛生の特別教育を受ける必要がある職種や内容、実施している機関などを解説しましょう。

  1. 特別教育の基礎知識
  2. 特別教育の種類などについて
  3. 安全管理者・衛生管理者の役割
  4. 特別教育に対するよくある質問

この記事を読めば、特別教育の重要性や目的もよく分かります。衛生管理者や安全管理者を目指す方も、ぜひ読んでみてくださいね。

1.特別教育の基礎知識

はじめに、特別教育の実施が義務づけられている職種や義務などを紹介します。どのような職種に、特別教育が必要なのでしょうか?

1-1.特別教育の定義

特別教育とは、前述したように厚生労働省が有害、もしくは危険と定めた仕事に就く労働者に対し、経営者が受けさせる教育のことです。現在は、小型車両系建設機械の運転やアーク溶接・高圧室での作業など、49の業務に対して特別教育の実施が義務づけられています。
特別教育を行う義務のある業務については、労働安全衛生規則第36条に記載されていますので、確認してみましょう。

1-2.特別教育の目的

特別教育は、労働災害の防止を目的として行われます。そのため、マニュアルを作って「読んでおくように」と手渡すだけでは不十分です。必ずその業務の危険性や安全対策について十分な知識を持った方が行わなくてはなりません。そのため、全国各地にある安全教育センターなどが、特別教育の委託を請け負っています。

1-3.特別教育と仕事について

特別教育は、仕事の一環として行われます。そのため、経営者は原則として所定労働時間に特別教育を受けさせなくてはなりません。また、勤務時間外や休日に特別教育を行う場合は労働時間とみなされ、賃金が発生します。
さらに、特別教育の時間は厚生労働省によって定められていますので、それを満たしていなければ特別教育を行ったとみなされません。特別教育を受けなければならない従業員が教育を受けていなかった場合は、労働安全衛生法に基づいて、経営者に罰則が与えられます。

1-4.特別教育の記録保管について

特別教育を実施したら、受講者や教育の科目を記録しておき、3年間は保管しておく義務があります。安全管理者や衛生管理者・安全衛生推進者が、保管を行っているところが多いでしょう。

2.特別教育の種類などについて

この項では、特別教育の種類や特別教育の代わりとして認められるものなどを解説します。どのような種類があるのでしょうか?

2-1.特別教育の内容とは

特別教育の内容は安全衛生特別教育規程に基づいて、職種ごとに決まっています。ですから、この規定を満たしていないと特別教育にはなりませんので注意しましょう。

2-2.技能教習と特別教育の関係

特別教育とは、危険を伴う仕事に従事する労働者が受ける最も基礎的な教育です。そのため、技能教習など、作業主任者になるために受ける講習を受けていれば、特別教育を受けたものとみなされます。また、危険を伴う作業に従事するための職業訓練を受けた方も、特別教育を受けたものとして扱われるのです。

2-3.安全衛生教育と特別教育について

安全衛生教育とは、労働安全衛生法第63条に基づいて行われる教育のことで、特別教育に準ずるものとして扱われます。そのため、安全管理者や衛生管理者・安全衛生推進者などが行うことができますが、特別教育の代わりにはなりません。
安全衛生教育は、労働安全衛生法に基づいて行われるものがあるほか、職場が独自に必要とされる教育が行われることもあります。労働安全衛生法に基づいて行う教育は、特別教育と同じように安全衛生教育センターが行う教育会に、従業員が参加するという会社もあるでしょう。

安全衛生教育は、一度やったら終わりというものではありません。必要と判断したら何度でも行いましょう。それが、労働災害を防ぐ有効な方法です。

安全衛生教育については、厚生労働省の「職場のあんぜんサイト」などでも、推進方法や運営方法が定期的に掲載されていますので、参考にしてください。

3.安全管理者・衛生管理者の役割

安全管理者や衛生管理者は、経営者に代わって従業員に特別教育を受けさる計画を立てたり、安全衛生教育を行ったりします。安全管理者は製造業や林業・建設業など、危険を伴う業務が多く、50名以上の従業員が所属している職場で選任が義務づけられているものです。
衛生管理者は、職種に関係なく50名以上の従業員が所属している職場に、選任が義務づけられてます。安全管理者が選任されている職場では、衛生管理者も選任されているはずです。
従業員が50名未満の場合は、衛生管理や安全管理の実務経験がある方が、安全衛生推進者に選任されます。

4.特別教育に対するよくある質問

Q.特別教育は、どのくらいの時間で修了しますか?
A.内容にもよりますが、短いもので6時間程度、長いものですと20時間程度は必要です。1・2日かけて行われることが一般的でしょう。

Q.特別教育を行わなければ、仕事を行うことはできませんか?
A.もちろんです。仕事に必要な機械の取り扱いなども特別教育に含まれるので、教育を受けながら仕事をすることはできません。

Q.特別教育を行う講師になるには、何か資格が必要ですか?
A.特別な資格は制定されていませんが、安全教育センターで講師になりたい人向けの講習は行われています。

Q.講師を会社に招いて特別教育を行うことはできるでしょうか?
A.引き受けてくれる講師がいれば可能です。

Q.安全衛生教育を行わなかった場合、罰則などはあるのでしょうか?
A.労働安全衛生法に基づいて罰金刑などが科せられるほか、労働基準監督署から指導が入ることもあります。

5.おわりに

いかがでしたか? 今回は特別教育の必要性や内容などについて解説しました。技能講習や安全衛生教育と一緒くたにされがちですが、厚生労働省によって時間や内容がきちんと決められた教育です。当てはまる業務を行っている職場では、従業員に必ず受けさせましょう。経営者の義務です。


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