職場に救急用具の設置義務があるって本当? 設置方法などを解説します。

救急用具とは、職場でケガ人や急病人が出た際に、応急手当をするための用具です。包帯や消毒薬・傷薬などがあります。職場には、労働安全衛生規則で救急用具の設置が義務づけられているのです。しかし、何を設置してよいか悩んでいる方はいませんか?

そこで、今回は職場に設置する救急用具について解説しましょう。

  1. 救急用具に関する基礎知識
  2. 救急用具の設置方法について
  3. 救急用具を購入する方法
  4. 救急用具に関するよくある質問

この記事を読めば、救急用具の設置方法や管理方法がよく分かります。職場の衛生管理や安全管理を行っている方は、ぜひ読んでみてください。

1.救急用具に関する基礎知識

はじめに、救急用具とはどのようなものかということや、設置義務についてご紹介します。どのような規則が定められているのでしょうか?

1-1.救急用具とは?

救急用具とは、前述したように職場でケガ人や急病人が出た際に、応急処置を行うための用具です。包帯やばんそうこう・痛み止めなど、家庭にある救急箱に入っているような用具といえば、イメージしやすいでしょう。
工場など仕事に危険が伴う職場以外で、ケガ人が出ることがあるの? と疑問に思う方もいると思います。しかし、カッターなどで指を切ったり、熱い飲み物をこぼしてヤケドをしたりすることは、どのような職場でも起こるのです。そんな時、応急処置ができる用具があれば便利ですし、いざというときに慌てることもないでしょう。

1-2.救急用具の設置義務とは?

労働安全衛生規則第633条・634条により、すべての職場で救急用具の設置義務が定められています。規則によると、設置する救急用具は、包帯材料・ピンセット・消毒薬・止血帯・傷薬などですが、すべての職場でこのような用具をすべてそろえる必要はありません。職場で使うことがありそうな救急用具を設置しておきましょう。オフィスワークが中心の職場では、傷薬・消毒薬・ばんそうこう・包帯・ピンセットだけでもかまいません。

1-3.救急用具を設置するメリット

救急用具を設置していれば、ケガ人や急病人が出た時だけでなく、災害時にも役に立ちます。また、救急用具がきちんと設置・管理されていれば安全管理・衛生管理が行き届いている職場である、という証明にもなるでしょう。

2.救急用具の設置方法について

この項では、救急用具の設置方法や管理の仕方、注意点などをご紹介します。ぜひ参考にしてください。

2-1.救急用具の設置方法

救急用具は、職場の従業員がすぐに使える場所に設置し、設置場所を周知させておきましょう。ただし、救急用具は日光や多湿を嫌います。また、清潔に保管しておかなければすぐに使えなくなるでしょう。直射日光のあたらない扉付きの棚の中に、専用の箱などに入れておくのが理想です。箱の表面には大きな字で「救急用具」「救急箱」などと書いておきましょう。

また、救急用具の設置場所だけでなく、中に入っている用具の種類や使い方も従業員へ教えておく必要があります。衛生教育や安全教育の一環として、救急用具の使い方の講習会を行うとよいでしょう。

2-2.救急用具の品目について

労働安全衛生規則で、救急用具として常備しておくべき品目の一例が挙げられています。これはあくまでも一例であり、職場で起こりやすいケガの応急処置が行える用具を入れましょう。例えば、調理場などはヤケドをすることが多いので、ヤケドの薬を常備しておくといいですね。骨折の可能性がある仕事をしている職場では、添え木なども常備しておきましょう。

2-3.頭痛薬や風邪薬などを入れておいても大丈夫?

頭痛薬や風邪薬などは、市販の薬であっても副作用が出ることがあります。また、限られた人が常に使うような状態になれば、不公平感も出るでしょう。かといって使わなければ費用だケガかさんでいきます。ですから、薬を入れるとしたら、ケガの治療に使えるものだけにしておきましょう。

2-4.管理の仕方について

救急用具には使用期限があります。たとえ使用していなくても、何年も同じものや期限切れの薬を置いておくことはできません。救急用具の管理は安全管理者や衛生管理者が業務の一環として行いましょう。安全管理者・衛生管理者が選任されていない職場では、安全衛生推進者が行ってください。最低でも半年に1回は救急用具の中身をチェックし、必要があれば用具の交換を行います。

3.救急用具を購入する方法

この項では、救急用具を購入する方法を解説していきます。どのような方法があるのでしょうか?

3-1.担当者が薬局などで購入する方法

従業員が少ない職場ならば、救急用具を管理している担当者が必要な用具を薬局で購入します。以前は薬品卸売業者から直接医薬品を購入できましたが、平成21年に薬事法が改正されてからは、できなくなりました。そのため、職場の規模がある程度大きい場合は、別の方法の方がおすすめです。

3-2.配置薬を利用する方法

配置薬とは、置き薬のことです。業者と契約すると医薬品が入った救急箱を届けてくれます。救急箱の設置は無料で、使った分だけ業者に代金を払うシステムです。薬の管理や交換も業者が行ってくれますので、規模の大きな会社などでは便利でしょう。

3-3.産業医を利用する方法

産業医が選任されている職場では、産業医を通して医薬品を購入することができます。診療所などがある会社ならば、診療所でまとめて医薬品を購入してもらい、必要な分を職場に配置しましょう。

3-4.注意点

職場で必要になる医薬品は、年月とともに変わっていくこともあります。ですから、何年も機械的に同じ救急用具を設置し続けるのではなく、安全衛生委員会などで話し合い、救急用具の用品を見返してみましょう。また、使用期限が切れた医薬品は、たとえ未開封のものでも従業員に格安で販売したり配ったりしてはいけません、傷薬などを使って副作用が出れば大変なことになります。

4.救急用具に関するよくある質問

Q.救急用具の中に、個人で使う薬を入れてほしいと頼まれました。可能ですか?
A.原則として、個人で使う薬を救急用具の中に入れることはできません。個人で管理してもらいましょう。

Q.栄養ドリンクは救急用具の中に入れることはできますか?
A.できません。福利厚生の一環として栄養ドリンクを購入したい場合は、自販機などを導入してください。

Q.発生する可能性があるケガの種類が多く、救急用具が絞れません。
A.医療知識がない素人でも使って問題のない、包帯や止血帯などを入れましょう。

Q.AEDは救急用具の中に含まれますか?
A.AEDは常時250名以上が勤務する会社に設置が義務づけられている装置であり、救急用具の中には含まれません。

Q.包帯などは使用期限がありませんが、どうしたらよいでしょうか?
A.包帯や止血帯はパッケージに密封されており外気に触れることがなければ、何年でも持ちます。ただし、10年以上未使用なものはさすがに交換してください。

5.おわりに

いかがでしたか? 今回は、救急用具の設置についていろいろとご説明しました。救急用具は使わずにこしたことはありませんが、いざというときに頼りになるものです。いつでも使えるようにしておきましょう。また、従業員が救急用具の使い方を分かっていれば、災害時などにも役立ちます。年に1度でもいいので講習会を開きましょう。ケガの予防などにも役立つはずです。


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