飲食店の衛生管理者資格とは? ~開業・営業に必要な資格を徹底解説!


飲食店で衛生管理者の仕事をするためには、どのような資格が必要になるのでしょうか?

外食産業において、店舗の衛生管理は何より重要です。さすがに、無資格の人間を飲食店の衛生管理者にするわけにはいきません。こちらでは、飲食店で衛生管理者となるために必要な資格を紹介しています。

飲食店を開業したい方・飲食店で働きたい方にとって“どんな資格を持つ人間を衛生管理者にするか”は、何より重要な情報となるでしょう。

  1. 飲食店における衛生管理の重要性とは?
  2. 飲食店における衛生管理者とは?
  3. 食品衛生責任者・食品衛生管理者の資格取得法とは?
  4. そのほか、飲食店開業に必要な資格とは?
  5. 飲食店の衛生管理者・衛生責任者に関するQ&A

飲食店における衛生管理者について知りたいなら、このページを読めば十分です。飲食店の衛生管理に関する基礎知識を10分でマスターしましょう!

1.飲食店における衛生管理の重要性とは?

飲食店が最も恐れるべき事態は、間違いなく店舗における食中毒の発生です。食中毒が発生すれば、その情報は瞬く間に拡大し、今まで築き上げてきたブランドイメージが失墜することになります。当然、食中毒を起こした飲食店は経営危機に晒(さら)されることでしょう。

飲食店ではありませんが、2000年に発生した乳製品大手の集団食中毒事件を覚えている方は多いと思います。事件の影響により、原因となった企業は操業停止に追い込まれました。結局、事業は再編され、社名を変えて再出発する運びになっています。日本人なら誰もが名前を知っているような企業でも、食中毒を起こせば権威が失墜するのです。一般的な飲食店が食中毒を起こせば、事業継続の望みは絶たれると考えるべきでしょう。

飲食店にとって、衛生管理の徹底は“事業を継続するための絶対条件”といっても過言ではありません。

1-1.飲食店における衛生管理の主目的

最優先の目的は、上述したとおり、食中毒の防止です。しかし、飲食店における衛生管理の目的は、食中毒だけではありません。

1-1-1.衛生管理は売り上げ増加に繋(つな)がる!

店内の衛生状態を維持することは、売り上げ増加に直結します。客席はもちろん、トイレ、調理場などがキレイに保たれているお店は、お客様のリピート来店を促すことでしょう。逆に、店内のあちこちが汚れたままでは、悪印象を与えてしまいます。店内を衛生的に保つことは、メニューのクオリティと同様、飲食店の集客力を決定づける要素になるのです。

1-1-2.衛生管理は利幅増大に繋(つな)がる!

また、衛生管理は飲食店の利幅を拡大することにも役立ちます。コンロが焦げついていれば火力が低下しますし、電子レンジ内が汚れていれば加熱効率が悪化するのはご存じでしょう。不衛生な調理場ではエネルギー効率が下がり、その分だけ設備の稼働に無駄が生じるのです。

衛生状態によって、店舗の利益率までも変動します。衛生管理は飲食店の経営状態に直結する要素といえるでしょう。

1-2.飲食店における衛生管理の注意点

売り上げ増加・利幅増大に好影響を与える衛生管理ですが、具体的には何をすれば良いのでしょうか? こちらでは、飲食店の衛生管理を行う上で注意するべきポイントを解説したいと思います。

1-2-1.食品を清潔に保つ!

食中毒の原因になるのは、食中毒細菌です。ただ、私たちの身体には免疫力がありますから、微量の菌を摂取しただけでは発症しません。食中毒を発症する可能性がある細菌量を発症菌量といいます。

さて、ほとんどの食品は、発症菌量を上回るほど細菌が増殖していても、におい・見た目・味には特に変化がありません。つまり、食べる側の人間が危険を察知することは実質的に不可能です。

そこで、料理を提供する側の人間が、食品を衛生的に保つ努力をしなければなりません。食品の管理場所はもちろん、食品に触れる可能性がある人間の手指洗浄まで徹底することが求められます。

1-2-2.食品を迅速に処理する!

どれだけ気をつけても、食品に付着する細菌をゼロにすることはできません。人間にできるのは、付着する細菌を少なくすることだけです。そこで、食品を取り扱うときには迅速に処理することが求められます。

要冷蔵食品でも、切ったり、味付けしたりするときには常温で処理するでしょう。迅速に作業を終わらせ、細菌が付着・増殖する暇を与えないようにするわけです。冷蔵庫から取り出し、切って味付けし加熱するまでの時間は、短ければ短いほど安全になります。

ちなみに、100個の細菌は2時間あれば最大300万個まで増殖可能です。増殖の暇を与えないため、迅速に作業することは衛生管理の基本と心得てください。

1-2-3.食品を適切に温度管理する!

食中毒細菌の増殖スピードは、温度によって変わります。細菌の増殖に最も適した温度は37℃です。そして、増殖可能な温度は10~60℃になります。以上から、食品を管理する際、10~60℃の温度を避けることが重要なのです。

ギリギリの温度では、ちょっとした管理状態の差で10~60℃になってしまいますから、最低限5℃の余裕を持ちましょう。冷却するなら5℃以下に、加熱するなら65℃以上に保つことが、細菌の増殖を防ぐための基本です。

1-2-4.調理器具の衛生状態をチェック!

衛生管理が必要なのは、食品だけではありません。食品に触れる可能性がある物品に関しても、徹底した衛生管理が必要になります。具体的には包丁・まな板・保存容器といった調理器具です。

特に包丁・まな板は肉と野菜で完全に使い分けることが絶対条件になります。洗浄に際しては、熱湯消毒・アルコール消毒などを組み合わせて、徹底除菌することを忘れないでください。調理器具などからの2次汚染は、多くの食中毒の要因となっています。

2.飲食店における衛生管理者とは?

さて、多くの方が“飲食店に食品衛生管理者を配置しなければならない”と誤解していますが、実のところ、飲食店に食品衛生管理者は必要ありません。配置するのは、食品衛生責任者です。

食品衛生管理者と食品衛生責任者はまったく別の資格になります。食品衛生管理者は、全粉乳・魚肉ソーセージ・食用油脂・マーガリンなど(食品衛生法施行令第13条に定められた食品)を製造する食品工場に配置する国家資格者です。そもそも、飲食店に配置する職種ではありません。

2-1.飲食店に配置するのは食品衛生責任者!

食品衛生責任者は、飲食店に配置する公的資格者です。飲食店・喫茶店といった調理営業、肉類・魚介類・乳類の販売業を行うためには、店舗ごとに食品衛生責任者を置かなければなりません。

食品衛生責任者は、都道府県の条例によって配置が義務づけられています。国ではなく都道府県単位なので、国家資格ではなく公的資格という扱いになるのです。

2-2.食品衛生管理者と食品衛生責任者の関連性

食品衛生責任者は、食品衛生法に関する営業施設に配置する資格者です。つまり、根拠法は食品衛生法ということになります。根拠法自体は、食品衛生管理者も食品衛生責任者も同じです。

もともと、都道府県が食品衛生責任者の配置を義務づけたのは、“国が食品衛生管理者を配置するよう求めていない営業施設”の衛生管理を徹底するという目的によります。以上から、事実上、食品衛生責任者は食品衛生管理者の下位資格に相当するといえるでしょう。実際、食品衛生管理者の有資格者は、無条件で食品衛生責任者になることができます。

2-3.食品衛生責任者の職務は?

食品衛生責任者の仕事は、食品衛生法など、衛生管理に関する法令の遵守です。飲食店の衛生管理を行い、必要に応じて、経営者に状況改善の進言をすることも業務範囲に含まれています。

それでは、具体的な業務内容をピックアップしてみましょう。たとえば、以下のような仕事が挙げられます。

  • 設備の衛生点検
  • 不衛生箇所の是正業務
  • 従業員の衛生・健康管理
  • 衛生管理表の作成

とはいえ、食品衛生責任者を配置することは飲食店開業の絶対条件です。職務内容がどうこうというよりは、飲食店を経営するために絶対必要な資格と考えてください。

3.食品衛生責任者・食品衛生管理者の資格取得法とは?

それでは、食品衛生責任者・食品衛生管理者の具体的な資格取得方法を確認することにしましょう。食品衛生管理者の資格は必ずしも飲食店と関連しませんが、食品関係の仕事に就く場合は役立ちます。以上から、こちらでは両方の資格について併記することにしました。

3-1.食品衛生責任者の資格取得方法とは

食品衛生責任者の資格は、講習受講により取得可能です。特に、資格試験を受ける必要はありません。受講資格の制限もないので、基本的に誰でも取得可能となっています。

3-1-1.食品衛生責任者の資格講習内容

講習日程は都道府県ごとに異なりますが、受講内容は全国で統一されています。以下の3科目を受講することが、資格取得の条件です。

  • 衛生法規(120分)
  • 公衆衛生学(60分)
  • 食品衛生学(180分)

3科目合計で講習時間は6時間となります。つまり、1日で取得できる資格ということです。講習の最後にテストを実施しますが、テストの点数と資格取得の可否は無関係なので、安心してください。資格講習を修了しさえすれば、受講者全員に資格が付与されます。

3-1-2.食品衛生責任者の資格講習を受けるには

資格講習を受講するためには事前申し込みが必要です。都道府県が管理する資格なので、まずは地域の保健所などに問い合わせてみてください。

飲食店を開業する場合に絶対必要な資格ということもあり、受講希望者は非常に多いです。ギリギリに申し込むと満員になっていることもあるので、注意してください。講習予定日の1か月前くらいまでに申し込めば、まず受講できるはずです。ちなみに、受講料金は原則、全国一律で1万円となっています。

3-1-3.講習を受けなくても食品衛生責任者になれる上位資格

より上位の資格を有している場合、養成講習を受けなくても食品衛生責任者の登録が可能です。

  • 医師・歯科医師・獣医師・薬剤師
  • 大学などで、医学・歯学・獣医学・薬学・水産学・農芸化学・畜産学の課程を修了・卒業している場合
  • 製菓衛生師
  • 食鳥処理衛生管理者
  • 食品衛生監視員
  • 船舶料理士
  • 調理師
  • 食品衛生指導員
  • 食品衛生管理者

以上の資格を持っていれば、無条件で食品衛生責任者になることができるので、資格講習は不要になります。

3-2.食品衛生管理者の資格取得方法とは

食品衛生管理者の資格を取得するためには、より専門的な資格講習を受けなくてはなりません。厚生労働省が管轄する国家資格なので、食品衛生責任者と比べるとハードルは高くなるのです。

受講資格は、“高校卒業以上で、食品製造業・加工業での衛生管理業務において3年以上の実務経験はあること”となっています。

3-2-1.食品衛生管理者の資格講習内容

厚生労働大臣による講習会は、一般社団法人職人科学技術研究所・日本食品添加物協会・社団法人日本食品衛生協会が共催します。期間は30日に及び、開催は不定期です。

  • 一般共通科目(関係法令・細菌学・食品学など)
  • 乳製品関連科目(乳製品検査法など)
  • 食肉製品関連科目(食肉製品検査法など)
  • 添加物関係科目(添加物鑑定法など)

開催期間が30日と長く、さらに不定期開催ということで、そもそも受講するハードル自体が高くなっています。ちなみに、乳製品の食品衛生管理者になるなら、一般共通科目と乳製品関連科目だけを受講すればOKです。食肉・添加物も同様になります。

3-2-2.食品衛生管理者の資格講習を受けるには

直近の資格講習は、添加物製品の資格講習が2016年7月から8月にかけて行われました。東京・大阪の2会場で行われ、定員はそれぞれ50名の100名です。受講料は29万8,000円となっていました。

2016年11月現在、次回予定は食肉製品の資格講習で、2017年1月30日~3月3日の日程が行われることになっています。定員は56名で、受講料は30万6,000円です。

3-2-3.講習を受けなくても食品衛生管理者になれる上位資格

特定の資格を持っていれば、講習を受けなくても食品衛生管理者になることができます。

  • 医師・獣医師・歯科医師・薬剤師
  • 大学などで、医学・獣医学・歯学・薬学・農芸化学・畜産学・水産学の課程を修了・卒業している場合
  • 食品衛生管理者の養成施設を修了している場合

講習会の費用・定員を見る限り、どちらかといえば、上記の“食品衛生管理者養成施設を修了している”という条件で資格を得るほうが賢明といえます。つまり、講習を経て資格を取るのは、“職場からの指示で、会社の費用負担で受講する場合”に限られると考えたほうが現実的でしょう。

4.そのほか、飲食店開業に必要な資格とは?

飲食店に必要な資格は、食品衛生責任者だけではありません。こちらでは、飲食店を開業するにあたって役立つ資格を紹介したいと思います。

4-1.防火管理者の資格

防火管理者は、“従業員・利用客を合わせて収容人数30人以上”の飲食店に配置する必要があります。防火管理者を配置しなければ、収容人数30人以上の飲食店を開業することは許されません。よほど小さな店舗でない限り、絶対に必要な資格といえます。

防火管理者になるには、消防署が開催する講習会を受講しなければなりません。ただ、受講さえすれば、全員に資格が与えられます。食品衛生責任者と同様、受講すれば確実に取得できる資格です。受講費用は自治体ごとに違いますが、5,000円前後になります。

また、防火管理者には甲種と乙種の2種類があり、300平米以上の大型店舗で防火管理をする場合は甲種の取得が必要です。甲種防火管理者の講習は2日間で10時間程度、乙種防火管理者の講習は1日で5時間程度となっています。

4-2.調理師の資格

実のところ、調理業務を行うために調理師免許が必要というわけではありません。ファストフードなどでは、アルバイト店員が調理を行っているのをご存じだと思います。

調理師には独占業務がなく、あくまでも“調理師の資格名称を名乗れる”という以外のメリットはありません。そのため、飲食店開業において、必ずしも調理師の資格者を雇用する必要はないのです。

ただ、調理師の有資格者は調理能力・衛生管理能力とも(少なくとも素人と比べれば)突出しています。雇用する側として、“安心して業務を任せられる”という意味では有用な人材といえるでしょう。

5.飲食店の衛生管理者・衛生責任者に関するQ&A

最後に、飲食店における衛生管理業務の“よくある質問”をまとめたいと思います。衛生管理資格を取得したいのであれば、まず、こちらで一般的な疑問を解消しておきましょう。

5-1.衛生管理者という名称の資格とは関係ないの?

労働安全衛生法を根拠とする衛生管理者は、食品衛生管理者・食品衛生責任者のいずれとも無関係です。衛生管理者資格は、飲食店・食品工場などで必要とされる種類の資格ではありません。

衛生管理者は労働災害を防止し、職場環境の向上を図るための資格です。どちらかといえば、工業系・建設系の職場で必要とされる傾向があります。飲食店との関連はありません。

5-2.食品衛生責任者と防火管理者がいれば飲食店を開業できる?

収容人数30人未満なら食品衛生責任者だけ、30人以上なら食品衛生責任者と防火管理者がいれば開業できます。つまり、食品衛生責任者と防火管理者が揃(そろ)っているなら、原則、すべての飲食店が開業可能という認識で構いません。

ただし、夜間にアルコールを提供するなら警察署への届け出が必要です。また、接待営業を行うキャバレーのような業態では風俗営業法の許可を受けなければなりません。ただ、いずれも資格を要するわけではなく、必要な資格は2つだけです。

5-3.食品衛生責任者の資格は1回取得すれば永続するの?

資格自体が永続しますが、定期的に衛生関連の講習を受けることが義務づけられています。自治体によっては“義務ではなく推奨”となっていますが、受講したほうが良いことに変わりありません。

そのため、“資格取得講習を受ければ、それで終わり”というほど簡単な話ではないと考えてください。ただ、受講さえすればOKで、試験が課されるわけではありません。数年ごとに講習を受けるだけなので、それほど大きな負担にもならないでしょう。

5-4.食品衛生責任者は誰が取得すれば良いの?

飲食店を開業するとき、食品衛生責任者を選任し、保健所に届け出をする必要があります。決まっていることは届け出の義務だけで、特に誰が資格を取得するべきかという定めはありません。

なので、飲食店の経営者自らが資格を取っても構いませんし、従業員の1人を選んでも構わないのです。

5-5.食品衛生責任者の資格は就職で有利になる?

残念ながら、1日で取得できる資格なので、あまり意味はないでしょう。経営者の目線に立てば、あえて食品衛生責任者の有資格者を雇用する意味はありません。いつでも誰でも、食品衛生責任者の資格取得が可能だからです。

“資格を生かして転職する”という場合、国家試験を要する資格など、もう少し難易度の高い資格を目指したほうが良いでしょう。

まとめ

以上、飲食店における衛生管理の基礎知識でした!

飲食店で必要なのは、衛生管理者ではなく食品衛生責任者という資格になります。しかし、衛生管理者と衛生責任者を混同している方も多く、どの資格を取れば良いのかご存じない方も多いようです。

飲食店での衛生管理業務を実施したいなら、まずは食品衛生責任者の資格を目指すと良いでしょう。ぜひ、お住まいの都道府県にある保健所に問い合わせ、講習日程を確認してみてください。

食品衛生責任者の仕事が自分に合っていると思ったら、その後、食品衛生管理者などの上位資格について考えてみることをおすすめします。


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