「常時使用する労働者」の定義とは? 事業主が知っておくべき5項目


安全管理体制や健康診断の問題もあり、事業主は「常時使用する労働者の人数」を把握しておく必要があります。
ここで問題なのが「常時使用する労働者」の定義について。

  • パートやアルバイトも「常時使用する労働者」としてカウントされるのか?
  • 派遣社員を含めると50名を超えてしまう事業所では衛生管理者の選任義務があるのか?
  • 契約期間が決まっているアルバイトにも健康診断を受けさせなければならないのか?

事業主様のそんな悩みや疑問を解消するために「常時使用する労働者」に関する情報をまとめてみたいと思います。
常時使用する労働者の定義や衛生管理者の資格試験についてご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

目次

  1. 常時使用する労働者の定義について
  2. 派遣社員・パート・アルバイトは常時使用する労働者になるのか
  3. 健康診断の対象となるのはどこまでか
  4. 衛生管理者の選任が必要な事業所について
  5. 衛生管理者の資格試験について
  6. まとめ

1.常時使用する労働者の定義について

まずは「常時使用する労働者」の定義についてご説明します。
通常その判断は事業者ごとにされるものであり、どう解釈するかについては統一されていないようです。
労働者の数は労働契約の有無によって判断されるため、例えば在籍出向者は出向先と出向元の両方との間に労働契約関係があり、両方の労働者数にカウントされます。
移籍出向者の場合は出向先との間にしか労働契約関係がないため、出向先の労働者数にのみカウントされることになるのです。
また、役員は通常だと常時使用する労働者にはカウントされませんが、事務職員や労務職員を兼ねている場合は人数に数えることになります。
パートやアルバイトなどの短時間労働者も常時使用する労働者に含まれる場合がありますが、これについては次の項でご紹介しましょう。

2.派遣社員・パート・アルバイトは常時使用する労働者になるのか

「常時使用する労働者に派遣社員やパート、アルバイトは含まれることになるのか?」という疑問をお持ちの事業主様は多いでしょう。
結論から言うと、派遣社員やパート、アルバイトは常時使用する労働者の人数に含まれます。
勤務時間は関係なく、例えば半日だけ勤務するパートの人数を0.5人というように計算せず、1人は1人としてカウントするようにしてください。
派遣社員については、派遣元と派遣先の両方で常時使用する労働者の人数に含まれます。
ただしパートやアルバイトの短時間労働者は、以下の条件を満たしていなければ「常時使用する労働者」としてカウントされませんので注意が必要です。

  • 1週間の所定労働時間が、同種の業務に従事する正社員の4分の3以上であること。

3.健康診断の対象となるのはどこまでか

労働契約法により、会社が社員の健康を守ることが義務として定められています。
労働安全衛生法では「常時使用する労働者に対し、健康診断を実施しなければならない」とありますが、果たして会社側はどこまで責任を持って健康診断を実施する必要があるのでしょうか。
雇用形態にはさまざまなものがあり、その中でも勤務時間や雇用契約は異なります。
例えば週に数時間しか従事しないパートと何十時間も残業をしている正社員に、同じように健康診断を受けさせる義務はあるのか、という疑問を持つ方も多いでしょう。
「常時使用する労働者」とみなされるパート従業員のラインは以下の通りです。

  • 雇用期間の定めがないこと。雇用期間の定めはあるが契約期間が1年(特定業務従事者については6ヶ月)以上の者、契約の更新により1年以上使用される予定の者、契約の更新により1年以上引き続き使用されている者を含む。
  • 1週間の所定労働時間が、同種の業務に従事する正社員の4分の3以上であること。

この条件を満たすパート従業員は常時使用する労働者に含まれるため、多くの場合、パートも健康診断の対象になります。

4.衛生管理者の選任が必要な事業所について

常時使用する労働者が50名以上いる事業所では、衛生管理者の選任が義務づけられています。
衛生管理者とは何か、その役割にはどんなものがあるのかについてご紹介しましょう。

4‐1.衛生管理者とは?

従業員にとって職場環境の良し悪しは非常に重要な問題になります。
実際に「働きにくい」「人間関係が悪い」という理由で離職する人も多く、それによって心身のバランスを崩し、病んでしまうケースも少なくないでしょう。
衛生管理者は、従業員の立場から考えて「安全で健康な職場環境」を作り出すための指導員となる人材です。
衛生管理者の仕事は多岐に渡りますが、例えば「女子トイレの数が増えた」「非喫煙者のために休憩所が設置された」というように、衛生管理者が置かれたことで職場環境が良くなった例はたくさんあります。

4‐2.衛生管理者の役割

衛生管理者の具体的な役割については以下の通りです。

  • 労働災害の防止、危険防止基準の確立
  • 責任体制の明確化
  • 自主的活動の促進
  • 労働者の安全と健康の確保
  • 快適な職場環境の形成

劣悪な職場環境が原因による離職率が高まりつつある今の時代、衛生管理者に求められる役割はますます重みを増してきています。

5.衛生管理者の資格試験について

最後に、衛生管理者の資格試験についてご紹介します。
資格を取得するためにはどうしたらよいのか、資格取得のメリットなどをまとめてみました。

5‐1.衛生管理者の資格試験

衛生管理者の試験には受験資格がありますが、それほど厳しい条件はありません。
高卒で3年以上同じ会社に勤めている人であれば、ほぼ問題なく受験できるでしょう。
受験資格を証明するために卒業証明書や事業者証明書が必要になるので、準備しておいてください。
衛生管理者試験は毎月数回ずつ実施されており、自分で受験希望日を指定して申し込みます。
受験資格を証明する書類を送れば受験票が届きますので、試験当日に忘れずに持って行きましょう。
試験の受付は2か月前からになりますが、定員になると次の日程にずらされるので「どうしてもその日に受けたい」という希望がある時は早めに申し込んでください。
試験には受験表に貼る写真と受験料6800円、筆記用具が必要になります。

5‐2.資格取得のメリット

衛生管理者は人気のある資格です。
その理由は、取得することで得られるメリットが多いためでしょう。
衛生管理者は大企業であればあるほど重宝される資格なので、取得しておくと将来の昇進や昇級に大きく影響します。
できるなら管理職になる前に資格を取得しておいて、将来性をアピールしておきましょう。
また、資格を取得するとそれだけ責任が大きくなりますが、その分資格手当がつくので昇給がアップする企業も多いようです。
転職の際にも有利になりますので、自分自身のステップアップのためにも資格を取得しておくことをおすすめします。

6.まとめ

常時使用する労働者についてまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか。

  • 常時使用する労働者の定義について
  • 派遣社員・パート・アルバイトは常時使用する労働者になるのか
  • 健康診断の対象となるのはどこまでか
  • 衛生管理者の選任が必要な事業所について
  • 衛生管理者の資格試験について

「常時使用する労働者について知りたい」という人は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。


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