安全衛生活動とはどんなことをするの? 事例とともにご紹介します。


衛生管理者の任務は従業員に安全で健康的に仕事をしてもらうこと。
その為に必要なのが安全衛生活動です。
では、安全衛生活動とは具体的にどのようなことをするのでしょうか?
今回は事例を紹介しながら職場の安全活動についてご紹介します。
安全衛生活動計画の立て方などもご紹介しますので、職場の衛生管理を担当されている方や衛生管理者の皆様はぜひ参考にしてください。また、衛生管理者を目指す方も読んでおいて損はありません。

目次

  1. 安全衛生活動とは?
  2. 安全衛生活動の事例と効果とは?
  3. 衛生管理者が気を付けることとは?
  4. おわりに

1.安全衛生活動とは?

この項では、安全衛生活動の内容をご紹介します。
いったいどのようなことをするのでしょうか?

1-1.安全衛生活動の目的とは?

安全衛生活動とは、一言であらわすと「労働者が安全に健康的に仕事が行えるように、職場の環境や作業内容を整えよう」ということです。
その昔、企業は利益が最優先で従業員の健康など二の次という所も少なくありませんでした。
それから時間をかけて労働者の権利が認められるにつれて、職場の安全や従業員の健康も守られるようになったのです。
しかし、ここ10年ほどは再び企業の利益が最優先になり、従業員の健康や職場の環境を顧みない職場も増えています。
安全衛生活動の重要性も、より強くなっているのです。

1-2.安全衛生活動の内容とは?

安全衛生活動の内容は、以下の3つに分類されます。

  • 環境管理
  • 作業管理
  • 健康管理

これは、労働衛生管理の3本柱とも言われています。衛生管理者なら良くご存知でしょう。

  • 環境管理とは従業員が安全に健康的で働けるように、職場の環境を整えること
  • 作業管理とは、従業員の健康が損なわれないように仕事のやり方を指示すること
  • ​健康管理とは、従業員が仕事が原因で健康を損なわないように定期的にチェックすること

です。
つまりこの3本柱を守っていれば、安全衛生活動にもなります。

1-3.安全衛生活動計画とは?

職場の安全衛生活動を行うためには、職場巡視が最も効果的です。
しかし、単に職場の中を衛生管理者が見て回るだけでは、職場の環境や労働者の健康状態はわかりません。
そこで、年間に何度か環境や健康状態のチェックをする必要があります。
その際に必要なのが、安全衛生活動計画です。
衛生管理者が環境や従業員の健康状態をチェックしている間にも、仕事は続けていかなくてはなりません。
ですから、いかに仕事に影響を与えずに安全衛生活動をするかが大切です。
そこで、実際に活動を行う前に計画を立てる必要があるでしょう。
すでに、「この時期にこのような安全衛生活動をする」と決まっている職場は良いですが、まだ新しい職場の場合は衛生管理者と職場の責任者が話し合って決める必要があります。
計画の立て方としては、

  1. 従業員の健康診断など、年間に行わなくてはならない安全衛生活動をあげていく
  2. 職場の仕事スケジュールと照らし合わせて、忙しく無い時期に安全衛生活動を配置していく
  3. 従業員に安全衛生活動の日程を発表する

というふうにしていくと、スムーズに行きやすいです。
参考になるものが欲しいという場合は、各自治体の労働局のホームページから手引きがダウンロードできるようになっていますので、利用してみてください。

2.安全衛生活動の事例と効果とは?

では、安全衛生活動の事例と効果とはどのようなものがあるのでしょうか?
労働衛生管理の3本柱に沿ってご紹介します。

2-1.環境管理

職場の仕事内容によっては、大きな音がしたり有害な物質が空気に混ざっていることもあります。
衛生管理者は定期的に空気環境や音環境、さらに職場の温度などを測定して、改善する必要があるかチェックしなくてはなりません。
その結果

  • 聴覚に影響が出そうな音環境だったので、防音壁を設置した
  • 職場にエアコンを設置して快適な温度で仕事ができるようになった
  • 職場も照明の明るさを調整して、パソコンを長時間使用しても眼が疲れにくくした

などの事例や効果があります。

2-2.作業管理

職場によっては効率第一で、従業員が危険な作業をしている所もあります。
しかし、衛生管理者はそれを改善する義務があるでしょう。
事例をあげると

  • 指差し確認や声出し確認を徹底することで、事故を予防した
  • わかりにくい機械操作が必須の場合は、見やすい作業手順を壁に貼ったりして、事故を防止した
  • 無理な姿勢で長時間のパソコン操作をしているケースがあったので、腰や肩に負担がないように机といすの買い替えをおこなった

などです。
一見すると何の危険もないように思えるオフィス業務も、仕事の仕方によっては従業員の健康を損ねる可能性があることがわかりますね。

2-3.健康管理

従業員の健康を管理するために行うことといったら、健康診断が第一にあげられますが、このほかにも以下のような事例があります。

  • 粉じんが発生する場所に入る際は、マスクの着用を徹底して義務付けた
  • 健康診断の結果、精神状態に問題がある社員と産業医の面会を設定し、早めに専門医を受診させることに成功した
  • 従業員全員の健康診断の結果を確認したところ、共通の問題が見つかったので職場環境の改善を経営者に提案、実行した

こうしてあげると、従業員の健康管理が環境管理や作業管理にもかかわってくるのがわかりますね。

3.衛生管理者が気を付けることとは?

衛生管理者の職務は、職場の安全や従業員の健康を守ることです。
しかし、その為に行う仕事が従業員の監視になってはいけません。
衛生管理者も主な仕事に職場巡視がありますが、これはやり方を間違えると「職場のあら捜し」になってしまいます。
従業員も安全で衛生的な環境で仕事をすることが理想です。
しかし、効率化を図るとどうしても安全確認などがおろそかになってしまうこともあるでしょう。
それを見つけた場合、頭ごなしに叱ってはいけません。
「なぜ、安全や健康を損ねるようなことをしてまで、作業の効率化を図ったのか」を従業員とともに考える必要があります。
そのうえで改善策を打ち出しましょう。
また最近は肉体的には健康でも、精神の健康を損ねる社会人も増えています。
精神の病気は早期発見・早期治療をすれば、比較的予後が良いものが多いのです。
しかし、精神の病気は偏見もあるため、誰にも相談できずに悩んでいる方も少なくないと思います。
そんな時に衛生管理者が相談しやすい雰囲気を作っておくと、従業員も悩みを打ち明けやすいでしょう。

4.おわりに

いかがでしたか?
今回は安全衛生活動についてご紹介しました。
まとめると

  • 従業員が安全に健康的に仕事を行えるように活動することが、安全衛生活動である
  • 衛生管理者はその為に職場巡視や健康診断の計画を立てる必要がある
  • より安全で清潔な環境で仕事ができるように、従業員や経営者とともに考えていく必要もある

ということです。
安全衛生活動は、一見すると企業の利益には全く結びつかないように見えるかもしれません。
しかし、職場で事故が起こったり、従業員が集団で健康を損ねてしまえば職場にとって大きな損失です。
また、利益を最優先にする企業は「ブラック企業」というレッテルを張られ、従業員の離職率がアップする可能性もあります。
つまり、安全衛生活動は遠回りではありますが、確実に企業の利益になっているのです。
ですから、衛生管理者の責任は重大でしょう。


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